解放の祝福

今日ベランダで煙草を嗜んでいましたら

隣の家の翁が彼の家から出てきたのです。

距離にして十間ほどでしょうか。

家の横の駐車場脇に、僕の方に背を向けて

下を向き、じっと立っていたのです。

どうしたのだろう、と見ていたら

立ちションをし始めたのです。

そして、仕上げには屁をこいたのです。

晴れていましたが、太陽には雲が薄くかかっていて

快晴ではなかったのです。

が、しかし

仕上げの屁の瞬間、薄くかかっていた雲が動き

1月とは思えないような日差しが差し始めたのです。

それはまるで

全てを解放した事への祝福の様に感じられたのです。

いや、まさに解放の祝福だったのだと思います。

その祝福の陽(「ひ」、へではない)を浴びて

僕は日課の散歩に出かけたのでした。

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